千歳市は、市内のすべての妊産婦と子育て世帯を対象とした包括的な支援制度「ちとせ版ネウボラ」を10月1日からスタートさせます。市総合福祉センターに相談室2カ所を新設。市内10カ所の子育て支援センターでも巡回相談を実施し、保健師、助産師、看護師などの資格を持つ母子保健コーディネーターや保育士、子育てコンシェルジュなどが妊娠、出産、育児に関する切れ目のない支援を行います。

 ネウボラとはフィンランド語で「アドバイスの場所」という意味。同国ではすべての市町村にネウボラの設置が義務付けられており、妊娠した女性やその家族は最初にこの場所を訪れ、専門職員の助言を受けます。出産後も子どもが6歳になるまで同じ職員が育児支援を続けます。

 日本では昨年6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」で、フィンランドのネウボラをモデルとした子育て世代包括支援センター、通称「日本版ネウボラ」の構想が盛り込まれ、おおむね5年以内を目標として全国に整備する方針が示されており、三重県名張市、埼玉県和光市などが先行的に導入しています。

 ちとせ版ネウボラは、妊娠の届け出に訪れた母親やその家族に対して、母子手帳の交付とともに新設の相談室でコーディネーターが面談を行い、妊娠期支援プランを作成します。プランには妊婦検診や保健師相談の日時が記載され、これらの情報を基にコーディネーターが担当する母親の状態を把握しながら必要な支援を行います。 出産後は保健師の赤ちゃん訪問の際に産後支援プランを作成し、さらに産後1カ月以降は乳児期支援プラン、子どもが1歳になったら幼児期支援プランと情報を引き継いでいきます。

 育児の状況に問題が見られる場合は養育支援プランを作成し、個別の問題解決のための支援を行います。5種類のプランを活用し、すべての母親と家族を切れ目なく支援することで子育て世帯の孤立を防ぎ、産後うつ、育児ノイローゼ、児童虐待を未然に防ぐのが制度の目的です。そのため、総合保健センター、子育て支援センター、家庭児童相談室を中核として、市役所の関係部署や医療機関、児童相談所、子育て支援機関など広範なネットワークを構築し、連携を密にしていきます。

 市保健福祉部の原文雄部長は「ネウボラに取り組んでいる自治体でも、これだけ多くの関係機関が連携し、5種類もの支援プランが充実しているところはほとんどない。走り出してみないと見えてこない部分もあるが、しっかりと連携体制をつくって妊娠、出産、育児で悩む母親や家族をなくしていきたい」と自信を見せました。